宇宙の果てまで

「宇宙の果てまで行けるでぃ~」

その言葉を聞いて、どかーんと笑ったのは、阪神高速・大阪空港料金所でのことでした。

 当時まだETC車載器をつけていない新車で、カーナビもなく、不案内の場所に行く不安な私が質問した「すみません、どこまで行けますか」の回答です。乗り口で料金を払えば、どこまでも行けるということなのでしょうか、でも宇宙の果てまでは無理でしょう。さすが大阪、笑いが大好きな私は大喜びでした。

 宇宙といえば、衣料品通販大手ZOZO創業者の前澤友作氏の宇宙旅行が思い浮かびます。日本の民間人として初めて「国際宇宙ステーション」(ISS)に滞在したことは多くのメディアに取り上げられました。国際宇宙ステーションは、地上400kmに浮かぶ、なんとサッカー場ほどの大きさだそうです。そこに滞在中、前沢さんは様々な実験をされ、その様子は動画配信サイトで見ることができます。

 12日間の宇宙旅行を終えて無事帰還された前沢さん、次の夢を聞かれると「月に行くことです」と即答。米国の宇宙ベンチャー「スペースX」と契約し、2023年に予定する民間人初の月周回飛行プロジェクト「dear Moon」を見据えていらっしゃるそうです。このプロジェクト、前澤さんと、招待された民間人クルー8名が、超大型ロケット「Starship」に乗って月を周回するという壮大な計画とのこと。夢のような話ですが、実際に成し遂げそうで、とてもワクワクします。

 ただ、、、なんと月までは、地球に最も接近するときで36万km、、、これは地球を約9周、気の遠くなるような距離です。

 一昔前、阪神高速で宇宙船になった私の愛車はいまだに現役、走行距離は、もう少しで30万kmです。ひょっとすると、前澤さんより早く、月への道のりを走破するかもしれません。ささやかな楽しみになりました。

弁理士 舩曵崇章